華麗なる加齢

生きるを楽しむ

スペシャリスト

初めて行く美容室♪

いつも髪がめっちゃ綺麗な友人が教えてくれた!

なんでも職人さんみたいな美容師さんがいるらしい。

ヘアカラーに特化したお店…

 

この年齢になると、とにかく白髪が…

もう染めなあかん!って思う周期が早い。

毎月、いやいやひと月待てない感じで白髪が気になってくる。

全体カラーとリタッチを繰り返す。

そんなんだから、まぁ美容室側もいい加減な感じになるのかな?

どうせ白髪染…また、来るしー

こーんな感じでいいでしょーって

最初は親切に接客してくれてもだんだんと…笑

次回は全体を染めましょうね。って言ってたはずなのに今日もリタッチ…⁈

忘れてるのね。

やっつけ仕事になるのも仕方ない…けど

なーんだか寂しいなー

そりぁただの白髪染ではあるけれど

いくつになっても綺麗でいたいのよ。

だって…

髪とお肌は女の命!

 

ドキドキしながらお店のドアを開ける。

なんだこれ!

めっちゃ広ーい

アンティークなインテリア

ゆったりとした椅子

落ち着く照明

 

この広さなのに、たった1人でお仕事してる。

で、この美容師さん

「僕は白髪染こそ奥が深いと思います」

なーんて言ってくれるやん

涙が出そうになる。

10本の指先は染め剤で真っ黒になっている。その手を見るとさらにその言葉が本物に聞こえる。

 

それはそれは丁寧に染めて頂いた。

白髪染とは思えない色味と艶!

トリートメントや頭皮マッサージもびっくりするほど丁寧に…

 

大満足してお店を出た私

ちょっとテンション上がって近くの商店街をぶらぶらすることに…

そういえば朝から何も食べてない。

これまた、レトロな感じ(好きやなぁ笑)喫茶店に入る

トーストとアイスコーヒーを注文

そこにドアが開く音

90代かな?日本むかし話に出てきそうな…

髪も服も歩く姿も

ほんとに立派なおばあさん

よたよたと

入り口に近い席に座る

お店の店員さんがお水とおしぼりをテーブルに置く。

ん⁈

注文も聞かずに立ち去る。

常連さんなのかな?

おばあさんは、ふるえる手で持つところが伸びきったスーパーのレジ袋から千円札を取り出す

店員さんが黙ってホットコーヒーとゆで卵をテーブルに置き、その千円札を取りお釣りをテーブルに…

この間も会話はない。

おばあさんは無表情。ふるえる手でゆで卵の皮を剥き、コーヒーを飲む。

卵に残った剥ききれなかった殻が気になるけど…笑

何か特別な思い出のあるお店なのかな?

それともただの日課かな?

どうして店員さんは何も声をかけないんだろう?

なんて、いろいろ考える

それにしても…この年齢になっても喫茶店でお茶を飲むってステキだなー

歩くのも大変そうなのに

茶店に来るだけでもやっぱりすごい。

 

生きることって奥深いなぁー

なんて考えながら地下鉄に乗る。

ん?

なんと!

同じ車両にあのおばあさんが座ってる!

どこに行くのかな?

いやいや

今から帰るのかな?

どちらにしても凄すぎてもう私の想像力ではわかるはずもない。

私が降りる駅では降りない

次はどこに行くのだろう

誰かと会うのかな?

気になるなーー

ついていきたい衝動にかられるけど…笑

 

今日は素敵な美容師さんのスペシャリストに出会えたけど…

おばあさんがあの喫茶店に行くことが楽しみだとしたら…?

まだまだ私の見たこともない楽しみがあるとしたら…?

年齢を重ねてもなお、今を精一杯楽しんでいるとしたら…?

こちらは間違いなく

生きることの…人生の…

スペシャリストやーー!

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